宇宙

冥王星は距離が遠く極寒の星だが魅力はある!【準惑星に降格された】

冥王星は、海王星の外にあり無数の天体が存在するカイパーベルトの中にある準惑星です。

冥王星はかつては、太陽系の第9惑星として認定されていました。

年配の方では、太陽系の天体は「水、金、地、火、木、土、天、海、冥」と覚えたはずです。

しかし、冥王星のサイズは小さく、同規模の惑星が複数見つかった事で、2006年に国際天文学連合において、惑星から準惑星に降格されています。

冥王星の外側にエリスと呼ばれる天体があり、冥王星よりもサイズが大きかった事も原因の一つとされています。

今回は、冥王星の歴史や気温、大気、距離、位置、ニューホライズンズで撮影さえたハートマークの氷河などを解説します。

余談ですが、太陽系の惑星で水星、金星、火星、木星、土星までは肉眼でも見る事が可能です。

それに対して、天王星、海王星、冥王星は肉眼では見る事が出来ません。

 

冥王星・発見の歴史

冥王星が発見される歴史を解説します。

冥王星が発見される

冥王星は、一般的にはクライド・トムボウにより発見されたとしています。

冥王星ではなくゼウスなどの名前を付ける案もあった様ですが、最終的には11歳の少女であるヴェネチア・バーニーがプルートと提案し了承された事で名前が決定されています。

プルートはローマ神話における冥府の神の名前です。

プルートが日本語に訳された時に、冥王星と名付けられて今に至っています。中国でも冥王星の名前を採用しています。

尚、発見された当時の冥王星は情報も貧しく地球よりも大きな星ではないか?と考えられていました。

当時の人は、冥王星が月よりも小さな惑星であるとは思いもしなかった様です。

 

冥王星は紀元前に発見されていた?

冥王星は紀元前の段階で、既に知られていた話もあります。

世界4大文明の一つにメソポタミア文明があります。

メソポタミアの地にいたシュメール人達は、高度な天文学を持っていました。

シュメール人が残した粘土板には、肉眼で見える水星、金星、火星、木星、土星だけではなく、既に天王星や海王星、さらには冥王星の記録も残っています。

ただし、肉眼では見えないはずである天王星、海王星、冥王星の存在をどうやってシュメール人達が知ったのかは謎とされています。

シュメール人は、上記の図の様に目が大きく描かれるわけですが、一説には目が望遠鏡だったのではないか?とする説もあります。

尚、シュメール人は冥王星が出来た理由をジャイアントインパクト説だと記録しています。

それによれば、シュメール人達の故郷??である惑星ニビルが土星の衛星であるガガにぶつかり、ガガが弾け飛んだのが冥王星としています。

この話の信憑性はともかくとして、シュメール人が紀元前3000年の時代に天王星、海王星、冥王星を知っていたのは驚きです。

 

冥王星の特徴

冥王星の気温や大気、距離、大きさ、自転、公転速度、重力について解説します。

冥王星の距離は地球と太陽の40倍

冥王星は海王星の外側に位置する事から非常に遠い星です。

地球からの距離は57億6550万キロとなりかなり離れています。

地球と太陽の距離が1億4960万キロですから、冥王星が如何に遠いかが分かるはずです。

冥王星は地球と太陽の40倍ほどの距離がある事になります。

尚、2006年に冥王星探査機であるニューホライズンズが打ち上げられましたが、冥王星に到着するには9年の歳月が掛かっています。

 

冥王星の気温は極寒です。

冥王星の気温はマイナス220℃ほどだと考えられています。

冥王星は太陽との距離が、かなり離れているために、太陽光の届きが悪く極寒の星となっています。

ただし、海王星の衛星であるトリトンは地表温度がー235℃だとも言われていて、冥王星よりも寒い事が分かっています。

因みに、太陽系で最も熱い星と考えると、太陽から最も近い水星と考える人もいるかも知れません。

しかし、太陽系で最も気温が高い星は温室ガス効果がある金星となります。

金星の気温は470℃とも言われていて灼熱の星となるわけです。

同じ太陽系の星であっても、気温は全く違います。

尚、地球で一番寒い場所は南極となり2018年に地表付近の温度がー97.8℃を記録したそうです。

それを考えると場所によっては、地球もかなり寒いと言えます。

もちろん、冥王星の足元にも及びませんが・・・。

 

冥王星の重力は小さい

冥王星の重力は非常に小さいです。

冥王星が小さい事もあり大きな重力を得る事は出来ませんでした。

冥王星の重力は地球の、0.07%しかありません。

重力の小ささも大気を維持出来ない理由となります。

それでも円形を保つだけの重力や引力は存在しています。

 

冥王星の大気は薄い

冥王星には大気がある事が分かっています。

冥王星の大気は、窒素が90%で残りはメタンと一酸化炭素だと考えられています。

冥王星の大気は非常に薄く、地球の0.01%しかないようです。

尚、冥王星の窒素は太陽が当たらなくなると凝固してしまい、太陽が当たると窒素は気体になる事が分かっています。

月に大気がなく冥王星に大気があるのは、窒素が原因なのではないか?と考えられています。

冥王星の大気は窒素が多い事で、ドライアイスの様な効果もあり大気が残っているのではないか?とする専門家もいます。

冥王星の気温に関しては、不確定な部分が多く様々な事が言われているわけです。

 

冥王星の自転速度は遅い

冥王星の自転と公転について解説します。

自転は冥王星が自分で回っている速度ですが、冥王星は6.5日で1週となります。

つまり、地球の6.5倍1日が長い事になるわけです。

冥王星は自転速度は遅いと考えるべきでしょう。

 

冥王星は公転軌道は楕円を描き17度も傾いている

冥王星の公転周期は248年です。

太陽の周りを248年も掛けて1週します。太陽系の他の惑星がほぼ円形で太陽の周りを回っているのに対して、冥王星は楕円の描いて周回しています。

冥王星は離心率が高く楕円軌道になるとも考えられています。

尚、冥王星の公転は太陽系の中では非常に珍しく海王星の内側を通っています。

海王星の内側を通っている時だけは、「水、金、地、火、木、土、天、冥、海」となるわけです。

さらに言えば、他の太陽系の惑星が一列に並んで回転しているのに対して、冥王星は公転軌道が17度ズレています。

なぜ公転軌道が17度もズレているのかははっきりとしていません。

しかし、他の太陽系の惑星と比べて明らかに特徴が違う事が、冥王星が準惑星に降格された原因の一つとなっています。

 

冥王星の大きさは月よりも小さい

冥王星の大きさは、直径が2270キロしかなく非常に小さいです。

さらに言えば地球の0.17倍の大きさしかなりません。

月の直径が3474.2キロであり冥王星は月よりも小さい事になります。

冥王星が発見された当時は地球よりも大きな惑星と考えられていました。

しかし、年代が経つにつれて、土星の衛星タイタンよりも小さかったりする事も明らかとなり、冥王星がどんどん小さい事が判明していき、最終的には月よりも小さい事も分かっています。

冥王星の後に発見された太陽系外縁天体であるエリスよりも小さい事も分かってきました。

太陽系の惑星の中で最小の大きさしかない水星と比べても、冥王星の大きさは半分以下となります。

冥王星が惑星から除外されて準惑星に降格した大きな理由として、サイズが余りにも小さすぎると言うのがあります。

 

冥王星が惑星から除外された理由

冥王星が惑星から除外された理由を解説します。

(出典:太陽系惑星の謎を解く、監修:池内了)

冥王星は惑星の定義から外れる

冥王星は、2006年の国際天文学連合の総会において惑星から除外されて準惑星に降格しています。

今までは惑星の定義にきちんとした決まりがありませんでした。しかし、現在では多くの天体が見つかっていて、惑星の定義を決定したわけです。

その中で冥王星が惑星の定義からは外れる事になります。

惑星の定義は下記の通りです。

太陽の周りを回っている

形を球形にするだけの重力があること

軌道の漂流物を引き付ける十分な引力があること

これが惑星の定義です。1番の太陽の周りを回っているのと、形を球形にするだけの重力は冥王星には備わっています。

しかし、3番目の軌道の漂流物を引き付ける十分な引力があるのか?が問題となりました。

冥王星は非常に小さく引力も小さいですし、サイズで言えばエリスよりも小さいのも問題となっています。

さらに、海王星の外であるカイパーベルト内には、冥王星クラスの星もゴロゴロいる事が分かってきました。

カイパーベルト内には、1000を超える天体がある事も確認されています。

冥王星は見つけるのが早かった為に、惑星とされていましたが、太陽系の惑星の中では極めてインパクト不足となります。

それらもあり、冥王星は2006年に惑星から準惑星に降格されたわけです。

尚、準惑星の中には、エレス、ケレス、マケマケ、ハウメアなどもあります。

準惑星に関しては、これからもどんどん数が増えていく事が予想されます。

因みに、準惑星の定義は太陽の周りを回る周回軌道にある事と、球形を作るだけの重力と質量がある事だけです。

 

冥王星の惑星復帰はあるのか?

冥王星の惑星復帰はあるのか?ですが、現時点では難しいと言わざるを得ないでしょう。

冥王星が惑星と認識されていた時代は、惑星に関する正式な定義が何もなかったわけです。

そのため冥王星もよく分かっていないのに、惑星に入ってしまった経緯もあります。

現在、フロリダの研究チームなどは、「惑星の定義が変わるのはあってはならない」とし、冥王星の惑星復帰を望む声もあります。

しかし、私的には冥王星と似たようなサイズや重力を持った惑星は多数発見されると考えていて、惑星復帰は絶望的だと感じています。

現在では、海王星の外川と内側で分けて考えるのも主流となっています。

 

冥王星と海王星は衝突しないのか?

冥王星の軌道は、海王星の内側を回る事は先に解説しました。

冥王星が海王星の内側を回るとなると、冥王星と海王星が衝突する危険があるのではないか?と考える人もいるはずです。

しかし、既に計算により冥王星と海王星は衝突しない事が分かっています。

冥王星の公転周期は248年です。それに対して海王星の公転周期は165年となります。

公転周期を比べると1.5の差となります。

冥王星が太陽の周りを1周する間に、海王星は太陽の周りを1.5周する事になるはずです。

つまり、冥王星が2太陽の周りを2周した時は、海王星は3周する事になり、これが延々と繰り返されるわけです。

もちろん、海王星や冥王星に超巨大隕石がぶつかるとか、何らかの衝撃でズレてしまえば話は違ってきますが、現在のシミュレーションした結果では、冥王星と海王星は衝突しない様になっています。

これも宇宙の神秘の一つだと言えるのでしょう。

 

ニューホライズンズが撮影した冥王星の地形

ニューホライズンズが冥王星を撮影した時間は、わずか3分です。しかし、その間に数多くの事が発見されています。

これまでは、ぼやけた様にしか見えなかった冥王星がどの様な姿をしていたのかを解説します。

冥王星にハート形の模様があった

ニューホライズンズが撮影した冥王星を見た時に、多くの方が最初に注目したのはハート形の模様ではないでしょうか?

このハート形の模様は別名としてスプートニク平原とか、冥王星発見者に因んでトンボウ領域と名付けられたりもしています。

冥王星のハート型の模様ですが、盆地であり氷河が形成されています。

氷河の大きさに関しては1000キロ以上もあり、太陽系の惑星の中でも最大規模となっています。

冥王星は惑星のサイズは小さくても、最大規模の氷河があるわけです。

因みに、冥王星には氷で出来た山も存在しています。

冥王星の氷山の高さは3500メートルにも達し、日本の富士山と同レベルの高さとなります。

尚、冥王星の氷河は1000年前に出来たとされていますし、決して死んだ惑星ではなく現在でも地質活動が活発な生きた惑星だと考えられています。

冥王星にはくじらマークもある??

ニューホライズンズの撮影で冥王星には、くじらマークがある事が分かっています。

くじらに見えないという人もいますが、人によってはくじらに見えるそうです。

くじらマークの場所は、ハート形の模様のすぐ近くで、くじらがハートにキスしている様な形となります。

尚、専門家によればくじらマークは巨大な天体が衝突した痕跡だと言います。

冥王星の周りの最大規模の衛星であるカロンは、くじらマークに天体が衝突した時に出来たものだとする見解も多くの支持を集めています。

それが本当だとすれば、冥王星のくじらマークはジャイアントインパクト説の証拠にもなるのでしょう。

因みに、冥王星のくじらマークは幅が300キロ、長さが3000キロのサイズとなっています。

冥王星のくじらマークを発見したのは日本の東京工業大学と東京大学の研究チームです。

 

冥王星には海がある?

(冥王星の断面図)

冥王星は極寒の惑星であり普通で考えれば、海を始めとする水や液体は存在しないと考える人も多い事でしょう。

冥王星くらい寒ければ絶対零度に達していると考える人もいるかも知れません。

しかし、実際には冥王星の氷の下に海が存在する事が分かっています。

マイナス220℃の極寒の世界である冥王星に液体が存在する理由ですが、メタンハイドレートが関係しています。

地表が凍っていてもメタンハイドレートが地面の下にあれば断熱材の役割を果たし水が残る可能性が十分にあるからです。

冥王星は窒素とメタンと一酸化炭素の星なので、地下であれば海があってもおかしくはありません。

余談ですが、日本の海底には多くのメタンハイドレートが眠っている事が分かっています。

日本の海底のメタンハイドレートが実用化されれば、日本も資源大国になれる可能性は十分に秘めています。

話はズレてしまいましたが、日本の海底での資源開発にも十分に期待したい所です。

 

冥王星に生物はいるのか?

先に冥王星には海があるという話しをしました。

海があれば生命が存在するのに必要な水があるわけですから、生き物が存在するのではないか?と考える人もいるはずです。

しかし、可能性はあるにしても、冥王星に生命は発見されていません。

尚、海外ではニューホライズンズの画像から冥王星にカタツムリがいるなどで話題になった事もありました。

上記の画像がカタツムリなわけですが、カタツムリだと判断するのは早いと言えるでしょう。

NASAが冥王星にはカタツムリ型の生物が見つかったとか言っているわけではないので注意してください。

 

冥王星は青く光っている

ニューホライズンズが冥王星を離れる時に、撮影した写真を見ると冥王星の周りが青く光っている事が分かります。

冥王星が青く光る理由ですが、メタンと密接に関わっています。

メタンや窒素は太陽から来た赤い光を吸収し青い光を反射させる事が分かっています。

メタンや窒素が冥王星を青く光らせているわけです。

尚、海王星も同じ原理で星を青く見せる事になります。

 

ニューホライズンズは現在どうなっているのか?

目的地である冥王星に9年かけてニューホライズンズは到着しました。

しかし、これでニューホライズンズの役目が終わったわけではなく、2019年の1月1日には小惑星2014MU69に最接近しました。

既に冥王星の外の世界に、ニューホライズンズは行っているわけです。

小惑星2014MU69のデータに関しては、2020年の終わりごろから地球にデータ送信される予定です。

現在のニューホライズンズはまだまだ健在でありますし、最終的には太陽系を脱出する事も期待されています。

尚、小惑星の2014MU69よりも冥王星よりも少しサイズが大きな準惑星であるエリスを調べた方がいいのでは?と思うかも知れません。

しかし、ニューホライズンズはあくまで冥王星の探査を目的として作られていますし、技術的にもエリスを調べるだけの余裕はなかったようです。

そのため、ニューホライズンズでは準惑星エリスを調査する事は出来ない様になっています。

それでも、今後のニューホライズンズにも期待したいところです。

 

衛星カロンについての考察

衛星カロンは冥王星を回る天体の一つですが、分かっている事があるので紹介します。

衛星カロンとは

衛星カロンは冥王星の周りを回る5つの天体のうちの一つです。

尚、衛星カロン以外の冥王星の周りを回る天体は、円形をしてなかったり、かなりイマイチ?なものとなっています。

衛星カロンですが、先に言った様に冥王星に天体か何かが衝突した拍子に出来たジャイアントインパクト説が有力だと言われています。

衛星カロンですが、冥王星が準惑星に降格された原因の一つにもなっています。

衛星カロンが発見される前は、冥王星は大きな星だと考えられていました。

しかし、衛星カロンが発見された事で、小さな星ではないか?と考えられる様になったわけです。

衛星カロンが発見されなくても、どのみち準惑星に冥王星はなっていたと思いますが、その原因の一つが衛星カロンの大きさだったわけです。

尚、衛星カロンの大きさは、1212キロで冥王星の半分ほどの大きさです。

冥王星とカロンは、他の太陽系の衛星と比べると大きさに差がなく、カロンと冥王星はお互いを回りあいダンスを踊っているようだと比喩する人もいます。

因みに、衛星カロンの表面はボコボコしていると考えている人が多かったわけですが、予想以上に綺麗な形をしていて驚いたという話しもあります。

衛星カロンも冥王星と同様に、地質活動がまだ活発に行われていると考えられています。

 

衛星カロンと冥王星の距離はかなり近い

衛星カロンですが、冥王星との距離が2万キロしかありません。

地球と月の距離が38万キロだという事を考えれば、かなり距離が短いと言えます。

もし冥王星に人類が行くことが出来てカロンを見たならば、かなりスケールの大きな月として見る事が出来ると考えられています。

一説では冥王星から衛星カロンを見ると、地球から見た月の7倍の大きさで見えるそうです。

 

 

カロンの極致は黒ずんでいる

衛星カロンの極地ですが、黒くなっている事が分かるはずです。

衛星カロンの黒い部分に関しては、一部では「モルドール」とも呼ばれています。

モルドールは指輪物語に出て来る冥王サウロンの国であり、黒の国という意味があります。

カロンの極地の黒に掛け合わせて、そう呼んだのでしょう。

カロンの極地が黒くなってしまう原因ですが、冥王星から飛んできた物質が堆積し黒くなったと考えられています。

冥王星とカロンは距離が2万キロしかない為に、モルドールの様な現象が起きると考えられています。

 

冥王星には謎がいっぱい

冥王星は地球から遠い事もあり、謎に満ちた星となっています。

それでも、ニューホライズンズが到達した事で地表の形なども明らかになってきたわけです。

宇宙に関しては、まだまだ謎に満ちていますが、技術の発展により謎は少なくなってきています。

冥王星だけではなく、宇宙にはブラックホールやダイヤモンドで出来た星、水を時速19.3万キロで放出する星など様々な謎があります。

それらも解明する日が来る事を祈っています。

それと同時に冥王星の解明にも期待しています。

小さくても寒くてミステリアスな星が冥王星だと感じました。

 

 

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