宇宙

海王星は距離が遠く極寒の惑星!時速2400キロの嵐が吹く

海王星は太陽系第八惑星です。

2006年に冥王星が惑星から準惑星に降格された事で、太陽系の中で海王星が最も外側を周回する惑星となりました。

尚、海王星の外側にはカイパーベルトと呼ばれる無数の天体郡が存在する事も分かってきています。

海王星は青くミステリアスな星なのですが、ボイジャー2号の観測などで分かって来た事も多々あるわけです。

尚、海王星は巨大氷惑星に分類されますが、ダイヤモンドの平原があり強い磁場がある事も分かってきています。

磁場がある事で、オーロラを見る事も可能と言われています。

ただし、太陽の遥か遠くを回っている極寒の惑星であり、風速400mの風が吹くガス惑星でもあるので、よっぽどのテラフォーミングをしなければ海王星に住む事は出来ないでしょう。

今回は海王星について分かっている事を全て解説します。

 

 

海王星発見の歴史

海王星は計算により導き出されて発見された事は有名です。

しかし、紀元前に既に発見されていた話もあります。

海王星が計算により発見される

海王星よりも先に、天王星が1781年にイギリスのウィリアム・ハーシェルにより見つかっています。

天王星は計算により見つかった星です。

天王星の軌道を調べた時に、予測したものよりもズレていた事が判明しました。

フランスの天文学者であるルベリエは、天王星の外側に未知の惑星があり、重力などが影響を与えているのではないか?と考えたわけです。

ルベリエは天王星の軌道を徹底的に調べて、計算上でこの辺りに巨大惑星があるのではないか?と考えました。

ルベリエが予測した位置に、ベルリン天文台のガレが望遠鏡を向けて発見されたのが海王星となります。

尚、イギリスの天文学者であるアダムスも海王星の位置を予測していました。

その為、海王星の発見はガレ、アダムス、ルベリエの功績となっています。

海王星は偶然の発見ではなく、計算により発見された惑星だったわけです。

 

メソポタミア文明のシュメール人は海王星を知っていた?

冥王星の所でも記述しましたが、メソポタミア地方に突如現れた謎の民族ともされるシュメール人が海王星の記録を粘土板に残しています。

天王星は時期によっては肉眼で見る事も可能ですが、海王星や冥王星は肉眼では見る事が出来ません。

それにも関わらず、紀元前の段階でシュメール人達は海王星の位置を知っていたようです。

さらに、海王星が青い星であり水がある事まで分かっていた様で粘土板に記録が残っています。

シュメール人達がどの様にして海王星を発見したのかは謎ですが、紀元前の段階で海王星の色まで分かっていた事は興味深いです。

尚、シュメール人達は、神の意思は夜空に現れると考えていた事で、天文学が異常に発達したとされる説もあります。

 

海王星が人類の移住先に考えられていた時代があった

過去には海王星が人類の移住先に考えられていた事がありました。

海王星は、ただ単に重たくて冷たいだけであり、地球と大して変わらないと思われていた時代があったわけです。

現在の太陽はまだまだ元気で健在ですが、いずれは膨張していき地球などを飲み込むと言われています。

太陽の活動線が高まった場合に、人類の移住先として海王星が考えられた時期もありました。

海王星は青色をしていて地球に似ていると思うかも知れませんが、実際には地球とは似て非なる星となります。

海王星に人間が降り立ったら1秒も持たないとする研究結果もあるほどです。

ただし、海王星の雲の中であれば60秒は人間が持ちこたえられると言う話しもあります。

現在の海王星では、かなりのテラフォーミングをしなければ、人間が住める環境にはならないという事です。

因みに、1930年にオラフ・ステープルドンにより発表された「最後にして最初の人類」というSF映画では、10億年後に人類が海王星に住むという設定になっています。

それでも、10億年後であれば海王星に住める可能性は残されている様な気もします。

 

 

海王星の特徴

海王星の様々な特徴を解説します。

名前の由来

海王星の名前の由来は、ローマ神話の海神であるネプチューンから来ています。

海外では海王星の事を「ネプチューン」と呼びますが、日本語名に訳した時に「海王星」となったわけです。

因みに、天王星は海外では「ウラヌス」と呼ばれるローマ神話の天の神の名前となっています。

冥王星は、プルートであり、これまたローマ神話の冥府の神の名前となります。

海王星は、濃い青色をした惑星であり海王ネプチューンの名に恥じない星だと感じています。

 

海王星の距離

海王星のと地球の距離は29Uです。

「U」という単位は馴染がないかも知れませんが、太陽から地球の距離が「1U」となります。

これを考えると、太陽から海王星の距離は「30U」となり、地球の30倍も太陽から離れている事になります。

海王星が地球から如何に遠いのかが分かる事でしょう。

因みに、地球から海王星の距離をキロ単位にすると42億8033万8230キロとなります。

尚、海王星探査機であるボイジャー2号は、1977年に打ち上げられ1989年に海王星の到達しています。

ボイジャー2号が12年も掛かった事を考えると、海王星が地球からどれだけ遠いのか分かるはずです。

 

海王星の大きさ

海王星の大きさは49528kmです。

どれ位大きいかと言えば、地球の3.8倍ほどの大きさとなります。

太陽系では、木星、土星、天王星に次ぐ大きさです。

尚、天王星の大きさは50724kmであり、海王星よりも少し大きいと言えます。

水星、金星、地球、火星に比べると、木星、土星、天王星、海王星が大きくなりやすい原因ですが、惑星の成分に宇宙空間の氷を使える事が主な理由となります。

水星から火星までの惑星ですと太陽の熱で氷が解けてしまいます。

それに対して、木星から海王星までの外惑星であれば太陽の光が弱く氷が解けません。

氷が解けないという事は、星を生成する物質として氷も使える事になります。

氷も惑星を形成する成分に使える事が、海王星を巨大氷惑星にした原因でもあります。

 

海王星の質量

海王星の質量は、地球の17倍もあるとされています。

地球と海王星の大きさは、3.8倍なのに対して、質量は圧倒的に差が付く事になります。

先に海王星よりも天王星の方が少しサイズが大きい話をしました。

しかし、質量に関しては天王星よりも海王星の方が高い事が分かっています。

太陽系の中で木星や土星の次に重たい星は海王星です。

 

海王星の自転と公転

海王星の自転と公転についてお話します。

海王星の1日は約16.1日です。

公転周期は約165年となります。

海王星は地球の遥か外側を回っているだけあり1年はかなり長いと言えるでしょう。

天王星の公転周期が84年という事を考えると、ずば抜けて1年が長いのが海王星となります。

 

海王星には四季がある

海王星は地軸が29度傾いている事が明らかになっています。

地球も地軸が傾いている為に季節の移り変わりがある事は知っている人も多いはずです。

同じ事が海王星にも言えます。

海王星にも四季がある事が分かっています。

ただし、一つの季節が終わるのに40年掛かる事も分かっています。

地球の季節の変化で言えば、夏は暑く冬は寒いイメージがあるはずです。

しかし、海王星の場合は春、夏、秋、冬の全てが極寒だと言えるでしょう。

 

海王星の気温

海王星の気温は-220℃となります。

太陽系の最も外側を回っている惑星であり想像を絶する寒さだと言えるでしょう。

尚、海王星の内側を回っている天王星の気温はー205℃となっています。

さらに、冥王星の気温もー220℃ほどだとされていて、そこまでの気温差はありません。

それに対して、土星の気温は-130℃位です。

それを考えると、天王星から先は温度差が変わらない事が分かる事でしょう。

後述しますが、海王星の衛星であるトリトンの気温はー235℃だとされていて、太陽系で最も寒い場所となっています。

因みに、宇宙空間の気温はー270℃位だとされています。

 

海王星が青く見える理由は大気が原因

海王星には大気がある事が分かっています。

海王星の大気は、水素が80%、ヘリウムが19%、少しのメタンで出来ています。

海王星は濃い青で見えるわけですが、メタンが大きく関わっているわけです。

メタンは性質上として、赤い光を吸収して青い光を反射させる性質があります。

太陽の光を海王星が浴びた場合は、青い光だけを反射するために、青く見える事になります。

冥王星などもメタンがあり星の周りが青く見えたりします。

しかし、海王星の方がメタンの量が多く圧倒的に青く見えるわけです。

尚、天王星も青く見えますが、海王星程は濃くはありません。

天王星と海王星の色の違いに関しては、まだ未発見な部分も多々あります。

海王星には星を青くする未知の成分ないし物質があるのではないか?とする専門家の考えが現在では、支配的となっています。

 

海王星の輪は消滅しかかっている

海王星の輪がある事が明らかになっています。

6本のリングがある事になります。

しかし、海王星のリングは黒い物質で出来ていたりしますが、非常に薄い輪だったり、途切れてしまっているリングもあるわけです。

海王星の輪は、土星の様な立派なリングではありません。

既に、消滅しかかっているリングでもあります。

研究者の中には、今世紀中に海王星の輪は、消滅してしまうのではないか?と考えている人も多いです。

 

海王星の内部構造

海王星の内部構造を解説します。

上の図を見れば一目両全ですが、海王星の内部は3重の構造で出来ていると考えられています。

海王星の中心には、コアと呼ばれる核があり氷、岩石、鉄、ニッケルなどで出来ていると考えられています。

さらに、コアの外側にはマントルがあり、水、メタン、アンモニアを成分としています。

マントルの外側には、水素、ヘリウムを主成分とする海王星の大気が存在しているわけです。

さらに、正確に言えばその上層部には大気や雲がある事が分かっています。

尚、中心部のコアは超高温高圧で圧縮されていて、摂氏5150℃、700GPa(ギガパスカル)の圧力が掛かっていると考えられています。

700GPaを分かりやすく言えば地球の700万倍の圧が掛かるという事です。

尚、ここでは表現として海王星には氷があるような言い方をしました。

海王星の氷は寒くて凍った氷ではなく、超高温高圧を物質に掛けた事で氷の様になる症状を指します。

地球の様な氷ではない事をご理解ください。

尚、海王星の核に近い大気最下層の気圧は地球の10万倍になると考えられています。

 

 

大暗斑には時速2400キロの暴風が吹いている

海王星をよく見ると、表面に暗い影の様なものが見えている事が分かるはずです。

海王星の黒い影の事を「大暗斑」と呼んでいます。

大暗斑の部分はスポット的に大気が薄くなっているのではないか?と考えられています。

さらに、大暗斑の部分には時速2400キロの暴風が吹き荒れている事も明らかとなりました。

1989年のボイジャー2号により撮影された大暗斑は、地球と同じ大きさ程のサイズがあり、大気の流れにより移動していく事も分かっています。

大暗斑が発生している場所には何があるのか?などは明らかになっていません。

尚、1989年にNASAのボイジャー2号に発見された大暗斑ですが、1994年にハッブル宇宙望遠鏡で調査した時には、既に無くなっていました。

木星の大赤斑は小さくなったと言われますが、未だに消えていません。

それに対して、海王星の大暗斑は消える事が分かっています。

ただし、2016年にハッブル宇宙望遠鏡で確認したところ、海王星の大暗斑が復活していました。

この事から、海王星の大暗斑は、どうやら地球の台風の様に出たり消えたりする事も分かってきました。

それでも、大暗斑が作られる過程などは一切謎のままです。

尚、大暗斑のサイズが小さいものを小暗斑と呼びます。

 

海王星ではオーロラが見える

海王星ではオーロラが見れる事が明らかになっています。

オーロラを見る為には、次の二つの条件は必須です。

磁場がある

太陽風があること

太陽風に関しては、海王星であっても問題なく届いています。

以外に思うかも知れませんが、海王星には強い磁場が存在します。

ボイジャー2号の観測から地球の何十倍も強い磁場が海王星から出ている事も分かりました。

しかし、海王星は水が多いわけであり、なぜ磁場が発生するのかは謎でした。

水は電気を通さない性質を持っているからです。

2019年7月に岡山大学の研究チームは、高強度のレーザーを使い海王星の内部を再現しています。

高強度レーザーを使った状態で水を置くと、水は金属化し電気を通す様になったのです。

さらに、高強度レーザーを使った状態で、炭素を加えると、水はさらに金属化する事になりました。

海王星は高温高圧ですし、メタンが分解されれば炭素が出来る為に、海王星と同じ状態を再現できたとしています。

現在では、海王星に磁場がある一番有力な説となっています。

研究では海王星では、あちこちでオーロラが見られると考えられています。

 

海王星にはダイヤモンドの平原がある

海王星ですが、ダイヤモンドの平原とダイヤの雹が降ると考えられています。

X線自由レーザーという装置を使用し、海王星と同様の高温高圧状態を人口で作ってみました。

そこにメタンとよく似た有機化合物を置き、どうなるのかの実験を行ったわけです。

その結果ですが、微細なダイヤモンドの粒子を作り出す事に成功しました。

実験でダイヤモンドが出来たとなると、海王星では、さらに大きなダイヤモンドが出来る事は確実だと考えられています。

海王星ではダイヤの雹が降り、ダイヤがマントルの中を沈み込んで行き、最終的にはダイヤモンドの平原が出来ていると考えられるわけです。

海王星の核の周りでは、ダイヤモンドが煌めく世界になっている可能性があります。

海王星のダイヤも宇宙の神秘と言えるでしょう。地球では絶対に起こらない症状が海王星では起きています。

 

ボイジャー2号の今後について

アメリカ・NASAのボイジャー2号は、海王星探査を目的に打ち上げられています。

しかし、既に海王星の探査は終わり宇宙の果てに向かって飛行している状態です。

2019年の段階では、既に地球から180億キロの彼方を進んでいる事が明らかとなっています。

太陽と地球の距離の100倍を遥かに超える彼方にボイジャー2号はいる事になります。

先ほど、太陽から海王星の距離は30Uだと言う話をしました。

既にボイジャー2号は「100U」を超える彼方を飛んでいるわけであり、海王星までの3倍を超える距離に到達しています。

既に太陽圏も脱出し星間空間に出ている事も明らかとなりました。

この先、新たにボイジャー2号から貴重な情報がもたらされる事を願っています。

尚、計算によればあと、20年ほどはボイジャー2号の電池が残っていて地球にデータを送信する事が出来る様です。

ボイジャー2号には、打ち上げた当時のアメリカ大統領であるカーターのメッセージや地球の自然の音などが入ったメッセージも聞ける様になっています。

未知の生物がボイジャー2号のメッセージを受け取る日が来るのかも知れません。

 

 

海王星の衛星

海王星には、13個の衛星が回っている事が明らかになっています。

しかし、注目するべきはトリトンでしょう。

海王星の衛星の特徴

海王星の衛星は、トリトンを含めて13個あります。

しかし、トリトン以外は、形も小さかったり不格好な姿をしています。

トリトンの大きさは2700kmですが、2番目に大きい海王星の衛星であるプロテウスは440km程しかありません。

衛星プサマテに至っては、直径が僅か40km程しかない事も明らかとなりました。

先に解説をしたように、海王星には輪がありますが、輪の中を動く衛星もあります。

海王星の衛星であるナイアッド、タラッサ、デスピナ、ガラテアの4つは輪の中を回っています。

衛星ラリッサとプロテウスは、リングの外側を回ります。

尚、衛星デスピナは、螺旋状に降下し海王星に近づいている事も明らかとなりました。

そのため衛星デスピナは、海王星に落下してしまうか、海王星の重力で壊れてしまい輪の一部になってしまうのではないか?と注目されています。

海王星の衛星トリトンも海王星に落下する可能性をはらんでいます。

 

衛星トリトンの特徴

衛星トリトンは海王星の衛星の中で、最も大きく注目されている衛星でもあります。

ただし、大きな衛星と言っても地球の衛星である月の4分の3ほどの大きさしかありません。

しかし、幾つか注目されている点があります。

海王星の気温の所でも触れましたが、衛星トリトンは気温がー235℃であり太陽系で最も寒い場所の一つとなっています。

衛星トリトンの核は岩石や金属で出来ていて、その周りを水、窒素、メタンの氷が取り囲んでいます。

トリトンの表面ですが、上記の写真で分かるように平野になっている部分もかなりあるわけです。

それに対して、氷火山の活動もあり山やくぼみなどの地形も出来ています。

尚、衛星トリトンには黒く見える部分もあります。

黒く見える部分に関しては、氷火山から噴き出した噴煙ではないか?と考えられています。

 

トリトンが海王星に落下するのか?

(惑星太陽の大発見・田近栄一著、新星出版社より)

海王星の衛星トリトンが注目されている最大の理由は、海王星と衝突する可能性があるからです。

上記の図を見ると分かりますが、トリトンは海王星の自転方向と反対方向に公転しています。

トリトンの様な動きをする衛星を「逆行衛星」と呼びます。

衛星トリトンは海王星の潮汐力により、次第に海王星の方に接近していく可能性が極めて高いです。

最終的には、海王星とトリトンは衝突する可能性があるとして、世界中の天文学者から注目されています。

海王星とトリトンがぶつかれば、世紀の天体ショーになる事は間違いないでしょう。

 

ODINUS計画が進行中です。

今までに海王星に探査機を送り込んだのは、NASAだけです。

しかし、現在ではESA(ヨーロッパ宇宙機関)によって、天王星・海王星に探査機を送る計画が立てられています。

この計画を「ODINUS(オディヌス)」と呼びます。

ODINUSより、さらに詳しく天王星と海王星を調査する予定です。

ただし、ODINUS計画のロケットの打ち上げは2034年となっています。

まだまだ先の事ですが、今から期待したいと思います。

 

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