生き物

カカポは長生きでも絶滅しかかっていた!

カカポは、ニュージーランドに生息する鳥であり人間にもよく懐き可愛いと人気です。

しかし、カカポの歴史を見ると無防備すぎて絶滅しかかったと言えるでしょう。

現在のカカポは、人間の手で保護できなくなれば確実に絶滅すると言われています。

長い間、天敵のいない島で暮らしていた事から、逃げる手段を忘れてしまい敵に遭遇すると固まってしまうわけです。

さらに、繁殖行動の鳴き声により敵に居場所がバレるなど、ちょっと間抜けな部分もあります。

尚、カカポの寿命は60歳から90歳とも言われていて人間並みに長生きと言えます。

今回はカカポのお話をします。

 

カカポの特徴

カカポの特徴を解説します。

カカポの名前の由来

カカポの正式名称はフクロウオウムと言います。

カカポという名前は正式名称ではありません。

カカポはマウリ語でオウムを指し「カカ」と夜を指す「ポ」を合わせて出来た言葉となっています。

因みに、正式名称の「フクロウオウム」とカカポの「ポ」が夜を示す事で分かるように夜行性の生き物です。

日本ではフクロウオウムよりも「カカポ」という言葉の方が有名でしょう。

カカポはオウムの仲間ではありますが、フクロウの様に目が正面に付いています。

ハトなどの鳥の目が横に付いているのに、カカポは目が正面に付いているのは大きな特徴と言えそうです。

 

体格はいいのに弱い鳥だった??

カカポは大型のオウムです。

体長が60cm、体重は4キロもあります。

オウムの中でも大型に分類されているキバタンの体重が800グラムだと考えると、カカポのサイズの大きさが分かるのではないでしょうか?

キバタンの体重の4倍もありガタイもよいです。

さらに、寿命も長くカカポは60歳から90歳まで生きられる事が分かっています。

人間並みに長生きする生き物が「カカポ」だったわけです。

サイズで考えるとカカポは強い様に思うかも知れませんが、実際には超が付くほどの弱い鳥となっています。

後述しますが、地上で敵(哺乳類)と遭遇すると戦う事も逃げる事もせずに、固まってしまう事が原因です。

今では、弱すぎてしまって人間の保護が無ければ絶滅してしまう種族となっています。

 

人懐っこいがペットには向かない

カカポは非常に人懐っこい鳥でもあります。

下記の動画を見ると分かりますが、人間と出会っても気概を加える事もなく愛らしい感じで擦り寄ってきます。

カカポは好奇心旺盛な性格であり人間に対しても警戒心を抱きません。

さらに、人間にはかわいいしぐさをしてくるわけです。

ここまで人懐っこいカカポだとペットにしたいと考える人もいるかも知れません。

しかし、カカポのペットは絶対にやめてください!と言いたいのですが、実際には個体数を減らしてしまった為に動物園でも個人でも飼う事は出来ません。

さらに、今の日本では野放しにしてしまったら、速攻で猫やネズミの餌となってしまうでしょう。

先ほども言いましたが、体格はいいのにカカポは最弱の鳥と言ってもよいほどです。

哺乳類に対しては、反撃する術を持ちません。

 

カカポは飛べない

カカポは飛べない鳥です。オウムの中では唯一飛べない鳥と言えます。

カカポが飛べなくなってしまった理由ですが、哺乳類がいない島に暮らしていた為に翼が退化してしまい飛べなくなってしまったわけです。

使わない物が退化していくのはカカポも同じだと言えます。

さらに、カカポの胸骨に竜骨がない事から飛ぶことは絶対に出来ません。

カカポはリムの木の実が好物なのですが、歩いて木に登ったりして採取しています。

カカポの島での生活は飛ぶ必要がなく、そのため翼が退化したと考えられています。

 

ニュージーランドの敵がいない島で暮らしていた

カカポはニュージーランドのオウムです。

カカポは地上に敵(哺乳類)が全くいない島に住んでいました。

一説のよると何百万年も哺乳類がいない島で暮らしていたとされています。

犬、猫、ネズミ、うさぎなどもいない島は、カカポにとっては楽園とも呼べる状態で平和に暮らしていたわけです。

ただし、空から訪れる猛禽類だけは別であり、猛禽類対策としてカカポは夜行性になったとも言われています。

カカポの島では猛禽類にだけ注意すればいいので、体の色を使い草木に紛れていた方が安全でした。

さらに、先にも言ったように、哺乳類が地上にいなければ、空よりも地上にいた方が安全であり、翼が退化したと考えられています。

しかし、敵がいない島で暮らしていた事がカカポの悲劇と直結しています。

カカポは哺乳類に対する対処法を全く知らない為に、敵が目の前に現れると固まってしまい身動きが出来なくなり一瞬でやられてしまいます。

これがカカポの最大での弱点ですし、カカポは弱いと言われてしまう理由です。

敵に対してカカポは無防備すぎる状態となってしまいます。

 

カカポの悲劇

カカポはニュージーランドの平和な楽園に暮らしていましたが、状況が一変します。

人間がカカポの島にやってきたからです。

1000年ほど前に、人間がカカポの島を訪れる事になります。

ポリネシア人やヨーロッパの人々がカカポの島の存在に気が付いたわけです。

人間はカカポを食用にしたり羽と皮膚を得る為に探す様になります。

カカポは狩りに来た人間に対しても無防備であり抵抗する事も逃げる事もせずに動けなくなってしまい個体数の減少が始まります。

人間がカカポの島に来た時の記録が残っていて、木を揺らせばカカポが落ちて来ると呼ばれるほどの個体数がいました。

それがここからどんどん減少する事になるわけです。

さらに人間は、ポリネシアネズミを持ち込んだともされています。

人間は成人したカカポをターゲットにしますが、ポリネシアネズミはカカポの雛や卵を標的にしたわけです。

人間とポリネシアネズミのダブルパンチによりカカポはさらに、個体数を減少させます。

さらに、森林の伐採などの短期間での環境の変化も拍車を掛けます。

平和なカカポの楽園であった島が人間の手により絶滅の危機へと向かっていく事になります。

多くの方が気が付いてはいないかも知れませんが、生物の絶滅のきっかけは人間が原因だという事が非常に多いです。

 

カカポの繁殖方法はレックです。

カカポはレックと呼ばれる繁殖方法を行います。

レックと呼ばれる方法で繁殖を行う鳥はカカポしかいないと言われています。

レックは、雄が集まりイベント会場を作ります。

雄のカカポが集結すると鳴き声を出すわけです。1キロ先まで分かるとされている鳴き声をカカポは出すわけです。

この鳴き声を聞いたメスは、雄達の場所まで駆け付ける事になります。

そして、メスが自分の気に入った雄を選び繁殖をする方法です。

これがレックと呼ばれているカカポの繁殖方法となります。

尚、カカポのレックには弱点があり、雄が鳴き声を発すると付近にいる動物に気づかれてしまいカカポが襲われてしまうわけです。

天敵がいないカカポの島であればよかったのですが、他の哺乳類が住み着いた場合は、レックの鳴き声で気付かれてしまい個体数を減らす原因にもなっています。

尚、カカポは60年から90年生きる事が出来る為に、繁殖は3,4年に一度しか行いません。

産まれる個体数の低さもカカポを絶滅の危機へと追いやったとされています。

 

カカポの絶滅の危機は1800年代に起きる

カカポは個体数を減少させながらも何とか絶滅は免れていました。

しかし、動物園やコレクターの収集、ポリネシアネズミ以外の猫などの哺乳類の手によりさらに個体数は減っていきます。

1800年代になると、カカポはほぼ絶滅状態にまでなってしまうわけです。

先に言ったように、敵と遭遇しても動けなくなってしまい簡単に捕まえられてしまう事が原因でしょう。

普通の動物であれば逃げたり、窮鼠猫を嚙むで反撃する事も多いのですが、カカポは平和ボケしてしまい対処できなかったわけです。

しかし、1890年代になるとニュージーランド政府がカカポの保護に動く事になります。

 

カカポの保護活動とリチャード・ヘンリーの奮闘

カカポの保護活動とリチャード・ヘンリーの奮闘を紹介します。

フィヨルランド・レゾリューション島にカカポを移す

ニュージーランド政府はカカポの絶滅を危惧しフィヨルランドのレゾリューション島に移す事になります。

この時に奮闘したのがレゾリューション島の管理人となったリチャード・ヘンリーです。

リチャード・ヘンリーの事はここでは詳しくは紹介しませんが、ホームレスになったり放浪生活をしていた人物です。

しかし、カカポに対しては並みならぬ情熱を持っていました。

リチャード・ヘンリーはカカポの生態系を脅かしているのは、ネズミやイタチだという事に気が付きます。

それを知りリチャード・ヘンリーはカカポをレゾリューション島に移す事に尽力しました。

6年も歳月を掛けて200羽のカカポをレゾリューション島に移したとされています。

しかし、悲劇が起こります。イタチが自力で泳いでレゾリューション島に渡ってしまったわけです。

これを知ったヘンリーは次の様に述べたとされています

「この島に期待は出来ない。ここに長くいる事はないだろう。あのイタチのせいだ。」

リチャード・ヘンリーとしては、さぞかし悔しかったのでしょう。

イタチは案の定、島のカカポを食べつくしていきます。

しかし、リチャード・ヘンリーはカカポを別の島に移す方向性で動く事になります。

この時に、ヘンリーは老齢だった事もありカカポの繁殖を見届ける事無く亡くなってしまったようです。

尚、リチャード・ヘンリーの意思は半世紀後に、ドン・マートンに引き継がれる事になります。

 

オークランド北東部のハウトゥル島に移される

1903年になると、3羽のカカポがオークランド北東部にあるハウトゥル島に移される事になります。

ここでの繁殖を期待されましたが、ハウトゥル島には猫がいた事が後に明らかになります。

これによりカカポは猫に食べられてしまったようです・・。

さらに、1912年には、3羽のカカポをウェリントン北西の保護区であるカピュティ島に移す事になります。

しかし、ここでも猫の餌食となってしまい1羽のカカポだけが残りました。

 

第一次世界大戦により保護活動が薄れる

その後の世界情勢で第一次世界大戦が起こる事になります。

大恐慌や世界大戦があると、カカポの活動の保護などは薄れる事となりました。

これによりカカポは、絶滅の危機に陥る事になります。

1940年になると、「カカポは見なくなった」とも言われる様になりました。

カカポの目撃情報が無くなってしまったとも言われています。

 

カカポの調査が行われる

1950年代から1970年代になるとカカポが生存しているかの調査が行われる様になります。

この時にカカポの捕獲に成功し絶滅していない事が明らかになりました。

人々はカカポの繁殖行動を目指す事になります。

しかし、カカポのストレスが酷くてカカポが死んでしまうなんて事もあったわけです。

 

カカポの保護に成功

1989年になるとカカポ保護計画の発展により繁殖に成功します。

カカポはゴットフィッシュ島に移されますが、ポリネシアネズミがいた事から難航します。

しかし、カカポの保護を優先させた為に、ポリネシアネズミを島から根絶する事を行っています。

カカポの繁殖のためとはいえ、ポリネシアネズミを排除した行動に関しては、当然ですが賛否両論の声があります。

しかし、ニュージーランド政府の努力により、1980年あたりから徐々にカカポは個体数を増やす事になるわけです。

2019年に発表されたカカポの個体数がニュースとなりました。

それによるとカカポは2019年現在で200羽を超えた事が明らかになっています。

専門家の間では、元々寿命が長いカカポなら10年後には500羽を超えるんじゃないかと期待もされています。

ニュージーランド政府やリチャード・ヘンリー、ドン・マートンの努力はここにきて実を結んだわけです。

ただし、この記事を読んでくれた方ならわかるかと思いますが、カカポは人間の保護が無ければ絶滅してしまう動物です。

これだけは忘れない様にしておきましょう。

 

カカポのまとめ

カカポをまとめてみました。

性格は人懐っこく人間にもよく懐く

哺乳類に弱い

地上に敵がいない島に暮らしていた

人間の保護が無ければ絶滅していた

カカポはかわいい見た目もあり、好きな方も多い事でしょう。

カカポの絶滅を阻止するために、様々な努力も行われてきました。

ここにきて実を結んではいますが、リチャード・ヘンリーを始めとした保護活動に参加した人も努力は忘れるべきではないと考えています。